要点
- 健康な時に、自分で近づく、入る、出る経験を少しずつ積み重ねます。一回の練習は短くし、食事を抜いて誘導しません。
- キャリーに入ることと、扉を閉じること、持ち上げることは分けて練習します。
- 体調不良時は練習より受診が先です。デグーが自分からキャリーに入れるようになるまで、通院を待たないでください。
始める前に整えること
RSPCA は、人と穏やかに触れ合い、ご褒美を与えることや、地面に近い位置で扱うことを案内しています。以下は、その原則をもとにした本記事の練習例です。決められた日数で完成させようとせず、その日の反応に合わせて進めます。
デグーが普段通りに食べ、動いている時に始めます。眠っているところを起こしたり、追いかけて練習場所へ連れてきたりしません。部屋の扉や隙間を確認し、逃走を防いだ床に近い平らな場所を使います。棚や机の上では行いません。
キャリーは倒れないように置き、扉を開いた状態で固定します。体重を量る時に使う箱も、滑らず、足や尾が引っ掛からず、安全に出入りできるものを選びます。容器を密閉せず、練習中は見守ります。キャリーの選び方は通院用キャリーも参照してください。
ご褒美には普段食べているペレットなどを少量使い、予定している一日の量から取り分けます。練習のために食事や牧草を減らして空腹にしたり、甘いおやつを追加したりしないでください。
キャリーに入る練習例
一度に試すのは一つの段階だけでも十分です。入った直後に毎回閉じ込めず、自由に出られる機会も作ります。
| 段階 | 試すこと | 次へ進める目安 | 戻る・終える目安 |
|---|---|---|---|
| 入口に近づく | 開いた入口の手前にご褒美を置き、待つ | 自分から近づき、離れてもまた来る | 人が動くたびに逃げるなら距離を取る |
| 中へ入る | ご褒美の位置を入口から少しずつ奥へ移す | 全身が入り、自分で出入りする | 体を伸ばすだけなら入口付近へ戻す |
| 扉が動く | 全身が中にいる時に扉を少し動かし、戻す | 扉が動いても落ち着いて出入りする | 慌てて飛び出すなら扉を動かさない段階へ戻す |
| 短く閉じる | 尾と四肢が扉から離れていることを確かめ、短く閉じて開ける | 閉じても暴れず、開けた後も近づく | 激しく引っかく、噛み続ける時は安全に開けて終了 |
| わずかに動かす | ロックを確認し、床のすぐ上へ持ち上げて戻す | 揺れや持ち上げに強い反応がない | 落ち着かないなら床に置いたままの段階へ戻す |
動かないだけで「慣れた」と判断しません。固まったままでいる、呼吸が普段と違う、出た後も隠れ続ける場合は中止します。しっぽを引いて戻す、体を入口へ押し込む、大声を出す方法は避けます。外出や車での移動そのものを練習の目標にせず、不要な移動は控えます。
体重計に乗る練習例
まず箱だけを床に置き、キャリーと同じように出入りに慣らします。次に体重計を安定した床に置き、空の箱を載せます。箱が体重計から落ちたり、周囲の物に触れて数値が変わったりしないことを確認してください。
- 箱と敷物を載せた状態で表示をゼロにし、それらの重さを差し引いて量れるようにします。この操作を「風袋引き」といいます。
- デグーが自分で箱へ入れるように配置して誘導し、四肢と尾が箱の外や床に触れていないことを確かめます。
- 表示が安定した時の値を記録します。箱を手で支えたまま読まないでください。
- 終わったら安全に降りられるようにします。動き続ける日は押さえつけず、「測定できず」と残します。
箱へ誘導する段階では、体重を量れなくても構いません。表示をゼロにし直したり、箱の位置を直したりする時は、デグーを安全な場所へ戻します。体重を比べるために測定条件をそろえる方法は、体重・体型チェックで確認できます。
次回につながる記録例
「成功・失敗」だけでなく、どの動きまで落ち着いていたかを残します。下表は架空の記入例です。
| 日付 | 試したこと | 見えた反応 | 次回 |
|---|---|---|---|
| 9月21日 | キャリーの入口へ誘導 | 入口で食べ、全身は入らない | 同じ位置で待つ |
| 9月23日 | 扉を少し動かす | すぐに出て、その後は近づかない | 扉を開けて固定する段階へ戻す |
| 9月25日 | 箱を体重計へ置く | 箱には入るが数値は安定しない | 測定を急がず同じ配置で試す |
注意点
- 多頭飼育では、他の個体が割り込んで扉に挟まれたり、一緒に体重計に乗ってしまったりしないよう確認します。
- 急に嫌がるようになった時は、練習不足と決めつけません。食欲や動きの変化を併せて動物病院へ相談します。
- 受診が必要なのにキャリーへ移せない時は、病院へ連絡して安全な移し方を相談します。練習の完成を待たずに受診してください。扱い方はハンドリングと保定の基本も参照できます。